台風一過……唐松岳頂上山荘日没 [北アルプス]
「今日はどちらから?明日はどちらに?」
話のきっかけはだいたいここから始まる。
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「五龍岳を越えてその先まで」
「いいなぁ、僕は76歳で足元もままならないから岩場はもうだめだ。10年ほど前から始めた山歩きなんだが、なんとか80歳まで夫婦で続けたいものだ。ここから五龍岳へ……いやいや止めておこう。この先の鎖場……いいなぁ……でも止めておこう。」
それから日没を待ちながら話が続く。
「これでも奥穂も北穂も登ったんだ。鹿島槍も登ったんだが五竜は登っていないんだよ。」
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お日様がだんだん剱岳に近づくと
「お父さん今よ、早く撮って」と隣に立った奥さんがけしかける。
「フィルムが無くなりそうなんだよ、エートあと3枚」と旦那さん。
「えぇ~~~それフィルムカメラなんですか。 てっきりデジタルだと思っていましたよ。」
銀色の小型一眼っぽいやつ。確かにシャッターを切ると、ジィ~っと巻き上げ音が聞こえてくる。カメラの事を色々聞いてきたので、帰ったらきっとデジタルカメラを購入するだろう。
…………
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「あっ、懐中電灯忘れた」
「このヘッドランプを使ってください、どういう訳か2個持って来てしまって。明日6時ごろ出るので、ゆっくりご来光を見て来てください。戻ってくる頃には、私は玄関まえにいますから。」
「では、遠慮なく」
無駄に持って来たヘッドランプ……これで無駄も役に立ってチョットだけ嬉しい。
「さぁ明日は早い、寝るぞぉ。」
私は、持ってきた本も開かずに布団にもぐりこんだ、まだ消灯前だというのに。
2013年9月 唐松岳頂上山荘にて
埼玉県から来たとっても優しいご夫婦でした。
「あなたたちとお話できてとっても良かった」と言ってくれて……こちらこそ、とても楽しかったですよぉ~~~。
80歳まで山登り……見習わなくっちゃ。老け込んでなんかいられない。
わ~い、山子路爺さまのところで一番のり。
こんな夕日を見てみたいです。
そして何ともほんわかした、温かな語らいがよいですね。
そして日の出を見るにはヘッドランプが必要と、気付きました。
来月の小屋泊まりまでに用意しないと。。
by はるか (2013-09-29 23:21)
私達の引退予定年齢10歳ひきあげます~^^v
by よしころん (2013-09-30 08:25)
ある程度年齢を経た後に山登りをされる方は多そうですが、
それが何故なのかいつも不思議に思います。
写真のような風景に出会ってしまうのがその理由でしょうか?
by akipon (2013-09-30 12:40)
燃えてるね〜♪
こうの光景がたまりませんね!^^
by hatumi30331 (2013-09-30 14:35)
こんにちは。
年を取っても夫婦で山登りができるとは素晴らしい子ですね^^。
雲海がかなり下にありますね。きれいですね。
by 海を渡る (2013-09-30 16:16)
五竜を越えて、キレットを越えて、鹿島槍を越えて…
いいなあ。
もう一度やってみたい…
こんな夕景を見ながら。
by asa (2013-09-30 18:30)
キレット越えが得意ですね!
一度、トライしてみたいです。その前に五竜までありましたね。
危ない楽しい尾根が、、、
by Jetstream777 (2013-09-30 18:32)
素晴らしい風景ですね。
いかに空気が奇麗かが伺われます。
会話も楽しかったですね。
by vnori (2013-09-30 21:14)
いいなぁ~!
こんな景色が見たかったデス。。
by CARRERA (2013-09-30 23:01)
to はるか さん
早々のご訪問ありがとう御座います。
八方尾根を登れば見られますよぉ……お天気次第ですがぁ。
山には街灯がないですからねぇ。
to よしころん さん
私も引退年齢10歳増しです。
でも80歳まではなかなか難しいかも。
to akipon さん
何故なんでしょうね。
一つには、歳をとってからでも得られる達成感かなぁ。特に難しい技術が必要なわけでもなく《クライマーになろうとする人は別ですが》、普通に歩けばいずれはテッペンに着いてしまうし、景色も空気も良いし、そんなところにはまっちゃうのかも。
to hatumi30331 さん
山に泊まれば毎回こうなんですが、何回見ても飽きませんね。
ご来光もきれいだったようですが、私たちはその時間には黙々と飯を食らっていて見ませんでした。早出だったんです。
to 海を渡る さん
76歳と聞いて「大先輩だぁ」なんて思っちゃいました。
見た感じでは5歳は若かったかな。
to asa さん
もう一度いかがですか。
私は各キレットを反対方向から行こうかな、なんて思ったりしています。
to Jetstream777 さん
牛首ですね。唐松岳から行くと、トラバース気味に進んで、最後回り込む所がイヤラシイかな。でも鎖をしっかりつかんでいれば多分大丈夫だと思います。
to vnori さん
黒部を挟んで向かい側に見える剱岳が素敵なんですよぉ。
見る角度によって感じが随分変わる山ですが、ここからはスマートな感じですかね。
by 山子路爺 (2013-09-30 23:20)
80歳まで山登り・・・カッコイイですね。
私も見習わなければ(^-^)
by werewolf (2013-09-30 23:26)
to CARRERA さん
縦走中ずっと快晴でしたよ。
CARRERAさんの時はあまり良くなかったようですね。今年の前半(はく離骨折する前)は雨ばっかしだったのですが、後半はお天気に恵まれました。この後はどうでしょうね。
by 山子路爺 (2013-09-30 23:31)
to werewolf さん
何時までも自分の足で歩きたいですね。
日頃から鍛えておかなっきゃねぇ~~~。
by 山子路爺 (2013-09-30 23:37)
いいお話ですね~!!山での出会い~!!そしてこの素晴らしい景色を見るために皆様山にみせられるのでしょうね~!私高い所超苦手なんですが、出来ますか?(^o^)v
by macinu (2013-10-01 09:17)
そういえば山で話し掛けられるのは"どちらから?どちらまで?"ですね。
自分からは恥ずかしくて話し掛けられませんが、
声掛けられると嬉しくて喜々として返事してしまいます^^
by imarin (2013-10-01 10:14)
山子路爺さん、ご無沙汰しております。
時々、コメ残そうと思いつつ、いつも読み逃げですみません^_^;
足の怪我、良くなられて良かったですね。
心が温まる素敵なお話と、美しいお写真に、いいなぁと、思わす投稿しました。
わたしたち夫婦も、今夏、初めての唐松岳へ登りました。
昨年の白馬に続き、2回目の北アルプスでした。
このご夫婦のように、わたしたちも、自分たちの力にあった楽しみ方で、山を楽しんで行きたいと思いました。
素敵なお話をありがとうございました(^^)
by sizuku (2013-10-01 14:03)
いい出会いでしたね。
80歳、たまにいらっしゃいますよね。
まあ、私はそのころになったら、
里山をゆったり・・・かな。(^^)
by nousagi (2013-10-01 14:16)
山子路爺さん、ご無沙汰しています。
奥さまもご一緒とか、すごい!すばらしいの一語です!
山子路爺さんより若いつもりでいたのに、昨年栂池で膝を痛め、その治癒を目指したリハビリ中なんですが、自分に負けないで頑張ります。
私には到底山子路爺さんご夫婦に追いつくことは出来ませんが、お二人で目標を越えられるまで頑張ってください!!
お祈りしています!
by ダイナミック・ヒデ (2013-10-01 18:35)
to macinu さん
たまたま同室になって、挨拶を交わし、一緒に夕日を眺め、取り留めもない会話をする。お互い共通項は山なので、たいがい打ち解けあえます。山小屋の楽しみの一つですね。
to imarin さん
それでは今度imarinさんらしき人に出会ったら声をかけてみます。
「今日はどちらから登ってきましたか?そして明日は?」ってね。
変な爺ぃだと思われちゃうかな。
to sizuku さん
いえいえ、ブログを開いてもらうだけで嬉しいです。
おかげで骨はきれいにくっついてほとんど支障はありません。唐松岳を登った時のお天気はいかがだったでしょう。稜線に出た時に劔岳のお出迎えはあったでしょうか。私はとても好きな山で、北アルプスの中では一番登った回数が多い山でもあります。
to nousagi さん
私も里山派となっていることでしょう。
自分の足で歩けるところだけ、無理をせずに、山に親しんでいたいですね。
to ダイナミック・ヒデ さん
家内の方が私よりタフです。
いつも「一服しよう」と声をかけるのは私の方です。何時までもともに歩けると良いですがね。頑張ります。
by 山子路爺 (2013-10-01 21:49)
素敵なシーンですね。
by テリー (2013-10-02 13:20)
to テリー さん
日の沈むのを眺めながらの、静かな語らい……
これも又、山小屋泊りの魅力の一つでしょうかね。
by 山子路爺 (2013-10-03 20:58)
きれいな夕日、中々見られませんね。 これなら次の日の朝も期待できますねぇ。
by おど (2013-10-04 20:58)
to おど さん
期待通りのお天気でした。
今年の前半は雨に降られることが多かったので、ここに来て帳尻合わせをしているようです。
by 山子路爺 (2013-10-08 00:43)