遅い夏休み……3峰(核心部) [北アルプス]
「先に行きますか?」
3人組に声をかけられたが、後から追い上げられるのも気になるし、自分の番になったときに多少の参考になるかとも思い先行してもらう事にした。
コルから少し行った所にビレイポイントがあり、そこで体制を整えて彼らは登り出した。
トップが少しもたついていたのは、荷物が思いせい(彼らは奥又白でテン泊いたらしい)ばかりではない……出だしの大岩の上に上がるのは足の短い者には骨なのかも……と云う事は……。
ラストが私たちに手を挙げて「お待ちどう様」と言ってスタートした。
「さあ行こう」
MMさんのかけ声で気合いを入れた。
残留ハーケンから自分のセルフビレイをとった。
「1ピッチ目終わりでビレイの準備ができたら声をかけます。ロープが張った状態になったらこれらを外して最後にセルフビレを解除して登って来て……それでは行きます」
スルリスルリとロープが出て行きMMさんは岩の向こうに見えなくなった。
待ってる時間は長く感じる……上の方から先行パーティの2ピッチ目を始めた様な声は聞こえるのだが……ロープが動くのでまだビレーポイントに着いていない……涸沢側をのぞいたり、奥又白側を覗いたり、紺碧の空を見上げたり……なかなか声がかからない……勿論、回りに人影無し……ちょっとばかり不安……。
大分長い時間待った(ような気がする)……突然、「余ったロープ引き上げるから、手を離して」……ロープが張ると……「OK、手順通りに最後にセルフを外して登って来て」……やっと声がかかり……「行きます」と言ったものの、最初の大岩でモタモタ……奥又白側に少しよった所から岩の上に……その後は快適に高度上げ……「コリャタノシイィ〜……病み付きになりそうだぁ〜〜〜!」……回収したカラビナ等の獲物をMMさんに渡して1ピッチ終了。
すかさず2ピッチ目開始。
ピッチの終了点へ体を持ち上げようとすると……ガツンッ!頭が岩に当たる。
先に頭を通してから体を持ち上げようとすると……ザザッとザックが当たる。
ほんの2m半程左斜め上に有るバンドが終了点なのだが……。
もう少し体を空中に投げ出せば、頭もザックも通過出来るのだが、そうすると右手のホールドが離れてしまう。
さて……
見上げるとビレイポイントの右下に古い残留ハーケンが……それにスリングとヌンチャクをかけてもらい右手のホールドとし、左手は仕方がないのでロープをつかみ、右足は今乗ってるステップの出来るだけ左に乗り、左足は股をいっぱいに開いて細かいステップに乗せて、エイヤッっとばかりに体を持ち上げてやっとの思いで這い上がった。
短い足が恨めしい!
………………
そんなこんな、なんだかんだ、えいやこらや……何度か尺取虫を繰り返して……無事3峰の頂上……。
振り返ると後続パーティが4峰を下りだしていた。
前方には前穂高岳(1峰)が迫ってきていた。
楽しい時間が過ぎるのは早い。
2016年9月 前穂高岳北尾根にて
おぉぉ~~~ 恐ろしや~~~^^;
それにしてもなんていいお天気♪ 気持ちよかったことでしょう。
by よしころん (2016-10-24 09:19)
>「コリャタノシイィ〜……病み付きになりそうだぁ〜〜〜!」
わ~、ありえないわぁ~
by nousagi (2016-10-24 11:02)
いつもながら、ステキな写真。
青空がいいね。^^
冬に入る前に・・・まだまだ登るのかな?
by hatumi30331 (2016-10-24 14:32)
to よしころん さん
雨の日と雨の日の間の晴れた1日……幸運でした。
岩の上からの穂高の眺めはサイコーでしたよぉ〜。
to nousagi さん
3峰は岩が安定しているのでとても快適でした。
時間が経過すると、また行きたくなります。
to hatumi30331 さん
冬に入る前に……冬になっても行きたいなぁ〜。
多分無理だけどねぇ〜。
by 山子路爺 (2016-10-24 14:47)
いい空の色です。
by 夏炉冬扇 (2016-10-24 19:09)
to 夏炉冬扇 さん
山の空気はとても澄んでいます。
by 山子路爺 (2016-10-24 22:37)
>もう少し体を空中に投げ出せば、頭もザックも通過出来るのだが
この下は絶壁なのですよね。絶対無理です。
前穂、ガイドブックで見るだけの領域です。
山子路さんはすごいなあ。
by はるか (2016-10-25 12:36)
おぉぉ・・・やはり自分には絶対行けない山だと確信!
山子路爺さんは楽しいのですね~^^;
青空が迎えてくれてるようですね!
by imarin (2016-10-25 15:26)
ヤマケイ番組で金子君が背泳の恰好で登っていたのを思い出しました。山子路爺さん、短足ナノ?おいどの下は直ぐかかと?
by OJJ (2016-10-25 18:46)
いやぁ・・・すごいとこ登りますねぇ。
行ってみたいようなみたくないような(笑)
行けたら素敵だろうけど…
by werewolf (2016-10-25 23:44)
to はるか さん
2枚目の写真の足下には涸沢ヒュッテがよく見えます。
その高度感がたまらない魅力……なんてね。
to imarin さん
楽しいのですよ、これが。
青空に向かってぐんぐん高度を上げて……って、次のホールド・スタンスしか見えてませんでしたけどね。
to OJJ さん
チビで短足なんで、リードが跨げる所が出来ない場合が……
すぐカカト?……何時も現代人が羨ましいです。
to werewolf さん
基本的には自分たちでルートファインディングしながらの登高となりますが、アルパインクライミング入門ルートなのでルートは分かりやすいかな。でも、私には出来ませんかどね。
by 山子路爺 (2016-10-26 00:37)
岩場を果敢にチャレンジされ、いつも敬服しています。 体が完調でないと岩場は無理ですね。 穂高やキレット、いつまでも岩場に取りつく山子路爺さんがうらやましいです。
by Jetstream (2016-10-28 11:12)
これが核心部!
「楽しい」「病みつきになる」って
は~ぁあ、恐れ入りました♪
by はなだ雲 (2016-10-30 12:30)
to Jetstream さん
若かった頃から槍ヶ岳北鎌尾根を生涯に一度だけ登りたいと思っていました。達成した後は出来れば北尾根をと思う様になり知り合いに頼んで今回の山行となりました。まあ、私の場合はここまでですかね。
to はなだ雲 さん
核心部3峰は岩もしっかりしていて本当に楽しい登高でした。
山登り人生50年かけてここまでたどり着きましたが、これ以上のグレードアップはもう無理でしょう。
by 山子路爺 (2016-11-06 14:33)
いやぁ~素晴らしい写真です!
by bpd1teikichi_satoh (2016-11-14 11:11)
to bqd1teikicho_satoh さん
今回はクライミング要素が入るため、いつもの1眼レフは持参しませんでした。もっとたくさん撮ればよかったのですが……緊張してたのかなぁ~。
by 山子路爺 (2016-11-30 19:57)