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アルプス銀座表裏2 [北アルプス]

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                             夏の合戦尾根といえば合戦小屋のスイカ


☆合戦尾根登る


中房の広場に子供達の声が溢れていた。

学校登山、どうも私たちがこの時期に唐松岳や燕岳に来ると出くわしてしまう。子供達の声を聞いているとこちらも元気になれそうな気がするのだが、先に出発されると狭い登山道は大渋滞になってしまうので、急いで靴紐を締め直し彼らより先に出発した。

合戦尾根は出だしから急で、始めのうちはお喋りをしながら歩いているのだが、そのうちだんだん口数が少なくなり、しまいには相棒の問いかけに答えるのも面倒になる。

合戦小屋への荷揚げケーブルの下を通るあたりからはさらに傾斜が急で「このリフトに乗れたらどんなに快適だろう」といつも思う。ちょうどその時シュルシュルシューっと搬器が頭上を通過して行った、嗚呼!

今日は幸い厚い雲と木々の緑に遮られて直射日光は遮られているが、それでも汗は顎から地面に垂れ落ちて、時々トレッキングポールにもたれかかって水分補給をしなければ爺さんは干上がってしまいそうだ。第二ベンチ・第三ベンチ・富士見ベンチと一息二息三息いれ、頭の中で今回のテーマソング「I・J・I」をぐるぐる回しながら少しでも足を前へ前へ。


やがて森林の中の急登は終わり「お疲れ様ぁ〜スイカいかがですかぁ〜」の声に迎えられて合戦小屋前の広場に着いた。「スイカ下さい!」美味しい波田スイカ、今年も頂きました、塩多めに振りかけて。

スイカを食べたらもうひと登り、燕山荘まで1時間、そしたら小屋の食堂で昼飯にしよう。




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  高瀬川を挟んで対岸の野口五郎岳方面・遠くにチョコンと見えるのは烏帽子岳かも・5日後にはあの稜線を歩いている予定


☆岩と砂礫と這松の表銀座ー大天井ヒュッテまで

人通りが多いから銀座通り……だが、燕山荘から大天井岳方面に向かう人は案外少ない。昔は北アルプスで最も賑やかだった稜線だったと思うが、今日はちらほらしか人が見えず、この方が静かな山旅が出来て嬉しいのだが、皆さんは燕岳だけしか登らないのか、燕山荘に一泊したのちに槍ヶ岳や常念岳に向かうのか、それとも休日じゃないからなのか、そう言えば日帰りで頑張る人も結構いたようだし、人それぞれでいいけれど、燕山荘・大下りの頭くらいまでは砂礫の稜線で気持ちがいいんだけどなぁ〜。


大下りをドコドコ下って、嗚呼!勿体無いなんて思って、為右衛門吊岩への登りにかかると「あれっ、やばっ、足つってる」。そうなんです、左足を持ち上げると太ももがつる。常々の運動不足とトレーニング不足が早速現れてしまったようだ。ここから登りになるし、燕山荘に戻るなんてまっぴらだし、休憩いれてポカリいれ飴舐めて(意味ないけど)、屈伸運動数回、なんとなく大丈夫そうなのでだましだまし歩き始める。

幸いその後は筋肉の痙攣もなく大天井の分岐までやって来る。そこに先行していた若者パーティーの1人がフクラハギをモミモミ。

「つっちゃったの?」

「少し違和感があるんので休んでいるんです」

「私もだましだまし歩いているんだ。お互い肉離れにならない様に気を付けていきましょうね」

「はい、もう少しなんで頑張りましょう」

若い人もつるんだと思うとなんだか安心したと云うかなんと云うか……。

分岐を右手に取ってさあ、ラスト40分・大天井ヒュッテへのトラバース……と思ったら記憶と違って登る登る、こんなに登るんだっけ……そして歩いても歩いても道は続く続く。登って下って岩場をへズって、イヤっと云うほど歩いて休もうと声をかけようと思ったとき「見えたよぉ〜」と相棒の声……「ふぅ〜〜〜」

無事大天井ヒュッテ着……厳しかったぁ〜〜〜。





                2017年8月〜9月 表銀座〜裏銀座










nice!(63)  コメント(13) 

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コメント 13

hanamura

山の青空はステキ☆ですねぇ~~~!!!
私は帰静(静岡へ帰省)して、雨降らした雨男です。
by hanamura (2017-09-10 18:00) 

夏炉冬扇

コメントありがとうございます。
by 夏炉冬扇 (2017-09-10 18:16) 

よしころん

数年前はテント装備で一気に大天井まで歩けましたが、今は燕岳までもギリギリ(><)
コマクサ、咲き残っていまでんでしたか?
by よしころん (2017-09-10 19:20) 

Jetstream

空は秋の気配ですね。合戦小屋のスイカはおいしいですね。
馬蹄形の縦走のはじまり、頑張ってください。!(^^)!
by Jetstream (2017-09-10 20:36) 

hatumi30331

急な尾根・・・・
お疲れさまでした。
足、つらずに、到着!良かったね。^^

私は昔から今も虫とリ大好きです!
イマドキの若い子たちは、コウロギも恐いらしい。^^;
by hatumi30331 (2017-09-11 15:14) 

hayazou2002

スイカが食べたくなりました。大天井は雨の記憶しかありません。
晴れた日に行きたかったです。

by hayazou2002 (2017-09-11 22:23) 

OJJ

大天井は写真の画面に5羽6羽と沢山の雷鳥を見た記念すべき場所です。
常念からだったので足はコキコキのポキポキでした。合戦小屋のスイカはやっぱり登りに食った方が圧倒的に美味いですね。 山子路奥方は素晴らしい!
by OJJ (2017-09-12 17:26) 

はるか

尾瀬に平日入山すると、必ず「尾瀬学校」の生徒たちが何校も来ています

帰りの鳩待峠への登り入口で出くわすのが一番嫌、
この子たちに追いつかれてはと必死に登るのですが、
走るように登ってきて、追い越されます。

最後尾でよく「あいつら早いんだよ」と女子が文句を言っているのが、聞こえてきて、ついつられて「ほんとだよ。早いんだよ~」と、独り言。

登山学校の生徒さんにこの登りで追いつかれないって、やっぱすごいです。最初の一枚が何とも素敵。青空とスイカの乗ったお盆がいいなあ。

燕岳にはいつかきっと。スイカも。ゼッタイ。

奥さますごい山女さんですね。

by はるか (2017-09-12 17:41) 

werewolf

お疲れ様でした♪
大事に至らずよかったですね。
登山に限らず、出かけた先でのケガとか病気は
ほんとに困りますもんね。

by werewolf (2017-09-13 00:03) 

nousagi

寝ていて・・・はよくあるのですが
歩いていてツルという経験はありません。
攣ったら、痛くて歩けませんよね。(^^;)
大事に至らないで良かったですね。

by nousagi (2017-09-13 21:18) 

山子路爺

to hanamura さん
雨男なんですかぁ〜クワバラクワバラ。
でも雨がなければ虹もないですからね……と慰めを。

to 夏炉冬扇 さん
私もスマホなんかと思うことがありますが……やっぱり手放せません。

to よしころん さん
砂れきにコマクサたくさんありましたよ。小ぶりでしたけどね。
テント背負って唐松岳……すごいじゃないですか。爺さんにはできません。

to Jetstream さん
汗びっしょりかいて食べるスイカ……たまりませんよね。
燕山荘グループもうまいこと考えたものです。しかも荷揚げ用のリフトもあって。

to hatumo30331 さん
田舎育ちには夏の虫たちはお友達でしたよね。
コオロギねぇ〜最近は見ていないかもね。見たこともないものはやっぱり怖いかもね。

to hayazou2002 さん
アルプス銀座の三叉路大天井岳。
さて西に行こうか南に行こか……どちらに行っても気持ちの良い稜線ですよね。今度は腫れが予想される日にどうぞ登ってください。

to OJJ さん
今回、這松地帯に雷鳥数羽……でも写真撮れぇ〜ず……情けない。
常念岳はきつい山ですよね……何度か登ったけど、何時もそう思います。

to はるか さん
鳩待峠への登りだしから峠までなら、元気のいい子なら一気ですよね。次から次から追い抜かれて……なんだか情景が目に浮かびます。
合戦尾根での定点観測の1枚……たまには変化が欲しいのですが。
我が相棒は私よりタフです……私はタフではありませんので、彼女もそこそこかな。

to werewolf さん
そうならない様に日頃から鍛えておかなければ……と思いつつ、ちっともやらずに何時も付け焼刃です。つった足は、休憩と屈伸運動でなんとかなりました。

to nousagi さん
そうそう、寝ていてこむら返りして大声出す……たまにあります。
原因はなんなんでしょうね。相棒には常々の運動不足だと言われてしまうんですが。いい対策はないでしょうか。

by 山子路爺 (2017-09-14 15:35) 

imarin

私も大天井岳~燕岳の道好きです。
大天井岳まで一日で行けたら良いのですが、
燕山荘泊まらないと無理で・・3日休みないと行けないのが悲しいです。
すごいなぁ・・一気に行けて。
by imarin (2017-09-22 09:30) 

山子路爺

to imarin さん
実は今回、燕岳に登っていないんです。
もし燕岳に登っていれば、大天井まで行けなかったかもしれません。
燕岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳の縦走も良いですよね。

by 山子路爺 (2017-09-23 11:46) 

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