長衛荘-受付 [南アルプス]
宿泊客の夕食はほぼ終わり、テーブルで飲んでいる人もチラホラとなった。
団体の方々は明日の早立ちに備えて、寝る体制を整えているようだ。
私は小屋の中を見て周り何枚か手ブレ覚悟でシャッターを切った。
コーヒーを頼もうと受付を覗くとそこは無人で、スタッフは奥の厨房で食事中のようだった。
注文を後回しにし、星たちを見ようと外に出たが、空は夜に成りきれず彼らはまだ顔を出していなかった。
長衛荘 [南アルプス]
長衛荘の煙突から出る煙が見えて長い長い下りがやっと終わりを告げた。
木々に囲まれ空が狭い北沢峠でもまだ十分に明るく、歩くには差し障りはなかったが、遅くなると小屋のスタッフが心配するだろうと思い、5時の夕食には間に合いたかった。
「お帰りなさい、案内します」とめがねの女の子に自分たちのスペースに連れて行ってもらった。
とりあえず濡れたシャツだけを着替え、汗を拭きながら夕食のテーブルに付いた。
仙流荘-朝 [南アルプス]
眠ったのかどうかも分からないまま朝を迎えた。
寝不足の目をこすりながらそっとカーテンを開けて外を覗くと、窓から見える空にはあまり雲はなかった。
気象庁の梅雨明け宣言はどうやら当たったようだ。
いきよいよくベッドから飛び出して仕度に取り掛かった。