SSブログ

常念岳1 [北アルプス]

☆一の沢コース駐車場 

雨はすっかり上がって空のほとんどが青い。

しかし、目を常念岳方向(常念岳は見えないんだけど)に向けると、そこらだけ雲が湧いていて(午後は曇りの天気予報)私たちは雲のまっただ中に到着となるだろう。

何はともあれ雨とはなって欲しくないものだ、などと考えながら舗装道路を登山口へとブラブラ歩いた。

さあ、登山届けを出したし、気合いを入れて行こう。

 

14sDSC_0762.jpg

 

☆胸突き八丁

手を振りながら近づいて来るカップル有り、しかも外国人。

周りには誰もいないのでどうやら私たちに手を振っているようだ。

彼「Ha~~i」

私「Ha~~i」 どうも旅先で外人さんと出くわすなぁ。

私「Where from?」 お決まりの質問

彼「Austoralia」 彼女「France」  女の子可愛いぃ〜 男の子スタイル良いぃ〜

彼と彼女交代交代に「5時に歩き出して11時に頂上に着いた」「30分ほどするとガスがきれて、展望がGRATE!」「青空がとても気持ちよかったぁ〜」「あと1時間か1時時間で貴方達も着くからね」…………。 

大体会話の内容はそんな所。理解できているのは三分の一位かなぁ、結構早口だったし。

「Good luck」 「You too」

元気に下って行く2人を見送りながら「足が長いって良いなぁ」……。

 

 

14sDSC_0804.jpg    霧の中から登山者が下ってくる

 

14sDSC_0811.jpg    写真を撮ってすぐ退散

 

☆常念岳

さて、40年ぶりの常念岳に行こう、山頂だけ雲の上という事はないだろうけど。

乗越から1時間と言うものの、なかなか着かない。

下ってくる人が「ここからが大変よ」とか「まだ半分来てないよ」とか「しんどかった、コースタイムはウソだ」とか言ってくれるので、荷物を小屋に置いて来て、カメラと水以外は持っていないのに、疲れがどっと出てしまった。

やっとの思いで登り着いた頂上は、案の定360度展望無し。

長居は無用、少し下った広い所で昼飯の続きのカップ麺でも食べよう……「うま〜い」

少し霧は薄くなったようだが、槍や穂高が見える事はなさそうだ。

 

 

☆常念小屋

頂上から下ってくると、少し年上と思われる夫婦が布団を敷いていた。

「どうも宜しく」「こちらこそ」なんて挨拶から始まった会話。

旦那さんは100名山(深田久弥の)を達成した後、奥さんともう一度100名山をトレースしていて、60座終わった所らしい。

「これから高い山が始まるので大変なんだよ。なんせコースタイムの1.5倍かかるからね」

参考コースタイムを1.5倍して計画を立てる。例えば笠ヶ岳……笠新道を登ると小屋まで到達できない……そこで一旦鏡平に泊まって笠ヶ岳を目指す……例えば光岳、易老渡から光小屋までは無理なので、聖平に泊まって翌日縦走して光岳を目指す、という様に。

「あんたは家事や孫の世話をみんな私に任せて、山だ釣りだと遊んでばかり」と抗議されて「なんならお前も100名山やってみるか、と言ったのが良かったのか悪かったのか……体力のあるうちに100座達成させたいものだ」

重いものは旦那持ち、怖い所はロープを出して、歩くペースは奥さんにを会わせて……over70の優しい白髪の旦那さん……とても素敵です。

「僕は、特に山が好きと言う訳ではないんだ。ひょんな事から「深田久弥の100名山」を知りやってみたんだが、やり出したら最後まで行かないと気が済まない性格で……だから貴方達の様にルートをかえ季節をかえ登山するという事は無いんだ。完全にピークハンターだから一度登ればそれで良いのさ」と言い切る所に好感が持てた。

意気投合した私たちは、お互いの相方を持ち上げたり下げたり、消灯直前まで笑いの渦の中にいた。

 

☆消灯

あっちこっちからのイビキの合唱を聞きながら、眠りの底に引きずられて行った。

 

 

 

                     2014年9月 常念岳

 


タグ:常念岳
nice!(90)  コメント(15) 

nice! 90

コメント 15

ひろたん

こんにちは^^
常念岳は残念でしたよね。
展望が・・・・・
春につばくろ岳から常念岳まで縦走して・・・
小屋で風が強くて山頂までは行けなくて・・
危険だからやめてくださいと小屋のご主人から説明があって・・
下山したのを思い出しました。
100名山ですね。行きたい所に行きたいですよ^^
何回も同じ所ですぅ。
by ひろたん (2014-09-07 12:02) 

hatumi30331

山登りは人との出会いでもあるんやね。^^
楽しい出会い、長い付き合いになるかも知れない出会いもあるんやろうね。
人生と一緒、というか・・・山登りの人には、人生の一部やね。
by hatumi30331 (2014-09-07 16:34) 

nousagi

登っても登っても着かなかった頂上だと
記憶しています。
結局ガスの中でしたが
それでも山頂に立った時は嬉しかった。
山は人それぞれ、いろんな登り方がありますね。
素敵な出会いも。(^^)
by nousagi (2014-09-07 16:42) 

hayazou2002

コースタイムの1.5倍、愛情たっぷりの
登山ですね。私には出来ないような気がします。
by hayazou2002 (2014-09-07 17:44) 

海を渡る

こんばんは。
やっとの思いの山頂でガスッていたらほんとうに残念ですね。
山での出会いも良いものですね。
雌阿寒岳の頂上で同級生にバッタり出合ったことがあります^^。
by 海を渡る (2014-09-07 19:29) 

CARRERA

〝常念岳〟良い山ですね~
一の沢コースは途中まで沢沿いに登るので暑くてもなんとなく涼しげで好きですね~

所でそろそろいつもの季節になりましたね!^^
今年はどちらへ?

私は次の週末笠新道を通って笠ヶ岳に行く予定です。
もちろん天気が良ければですけどネ!
by CARRERA (2014-09-07 23:08) 

Jetstream

常念岳、山頂はガスってたんですね。 駐車場は青空だったのに・・
乗越からの山頂は結構キツいですよ。
山小屋での楽しい会話もいいですね。 私も100目指しているので、共感。
笠ヶ岳は鏡平経由で登る、同じこと考えてました。 (笑)
by Jetstream (2014-09-07 23:09) 

ふゆん

一枚目がとっても夏休み空♪
ガスってるのは残念なような
幻想的なような☆(・∀・`)
by ふゆん (2014-09-08 03:29) 

hide

常念岳☆わが家にはまだまだ目標の高い山です^^
すごい霧ですね~♪
アルプスっていつか挑戦したいです(^^)
by hide (2014-09-08 09:18) 

テリー

常念岳、また、登って見たいですね。今年は、体調が今ひとつなので、無理かも知れません。
by テリー (2014-09-08 11:05) 

ももこ

素敵なお話でした。
21歳の時に登った山が 最初で、最後みたいなものですが、
いつかまた チャンスがあれば いいなぁ。。。と
心から 思える記事でした♪
by ももこ (2014-09-08 13:27) 

山子路爺

to ひろたん さん
何にも見えない山行……そう云う事も有ります。
強風で断念……それも山登りですよね。
前回私は膝が痛くて一の沢を下りました……ちょっとだらし無いかな。

to hatumi30331 さん
たぶん、もう一度会う事は無いだろうなぁ。
もし何処かで再会する事があれば、どんなに喜ばしい事でしょう。

to nousagi さん
そうなんです、1時間というからなめてかかっていたら、えらい事でした。
梓川SA見えるピラミッド型の傾斜は伊達じゃなかったです。

to hayazou2002 さん
私にも出来ません。
まあ、私の場合はこれの逆パターンとも言えますがね。

to 海を渡る さん
旧友にバッタリ……それはさぞかし嬉しい事だったでしょうね。
昔、山岳部やワンゲル部でならした連中は、皆歳をとって「山」どころじゃなくなっちゃいました。

to CARRERA さん
そうそう、この季節ですね。
笠ヶ岳と言う事ですが、私は向かい側の山に行こうかと思っています。日にちは1日か2日ずれるかな。

to Jetstream さん
そうなんです。夜中も星が瞬いていい感じだったんですが、何処を見ても白い霧だらけでした。100がんばって下さい。私は無理です。

to ふゆん さん
なんで私の所だけガスっているの?って毒づいてもしょうがないですよね。
何にも見えなくても、楽しいやあ歩きでしたよぉ〜〜〜。

to hide さん
その内にお子様と一緒に登るかもしれませんね。それも近い将来。
お子様がテント担いでくれたりして……。

to テリー さん
早く体調が良くなると良いですね。
私はあれ以来なんだか言い様な気がしてます。まあ、年ですからあまり無理は出来ないでしょうけど。

to ももこ さん
同部屋になった人とお話しするのが結構楽しいです。
レベルが同じくらいの人なら、なお良いですね。

by 山子路爺 (2014-09-09 00:35) 

werewolf

参考コースタイムを1.5倍・・・
なるほど、参考になります。
by werewolf (2014-09-09 22:20) 

山子路爺

to werewolf さん
参考タイムの1.5倍(一ノ沢登山口から常念乗越まで5時間×1.5)でもちゃんと登って来る……これはこれで凄いことだと思います。私もこの精神でいつまでも歩きたいと思った次第です。

by 山子路爺 (2014-09-10 21:36) 

おど

自分も、あとうん十年もすれば1.5倍掛かるのですね…。 今のうち登山口から遠くにある山を登っておいた方がいいのでしょうか?(笑)

by おど (2014-09-11 22:34) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

硫黄岳ー帰り道から常念岳2 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。