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今年もここから―相州大山 [丹沢/南関東/富士山]

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ヤビツ峠からダラダラ登りを歩きだした。

やや曇り空ながら4月の日差しは殊の外強く、Tシャツの袖をまくっても少し汗ばんだ。

緩い尾根道に出るとさーっと梢を鳴らして風が吹き、火照った体をほど良く冷やしてくれた。

歩くこと約1時間、思ったよりもにぎやかな頂上で持ってきたいなりずしを出して、今年行きたい山々の事をあれやこれやと思い描いた。

帰りはやや急ぎ足にして、膝の様子を確認しながら下った。

登る時と同様に木々の間を通って風が吹き、その音に混じって鶯の声が聞こえていた。

蓑毛の桜は満開だったが、ヤビツのそれはもう少し時がかかる様だった。

 

                                             2012年4月 相州大山


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絶景の山―朝 [丹沢/南関東/富士山]

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朝食を済ませて7時すぎ。

南アルプス稜線が淡いピンクに輝いて、丹沢山塊雲の中。

それらを従えグッと体を突き出して、 両手を広げてどっしり構えた富士山は、それこそ本当に雄大だ。

頭の雪は黄金色、笠をかぶって微笑んで、なんとも貴方は美しい。

おぉ~!

声を出す人、手を合わせる人、写真をバチバチ撮る人、やる事それぞれ違うけど、よせる思いは皆同じ。

富士はニッポンイチの山。


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絶景の山―夜 [丹沢/南関東/富士山]

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悩んだ末に部屋に置いて来た三脚が恨めしい。

山頂にあるテーブルにカメラを置けば何とかなると思っているなんて、全く能天気もいいところだ。

レンズの向けられる角度は制限されるし、何秒間か露光したらぶれるに決まっている。

理由は重いからなんだが、どうせバテるのは分かり切った事なのだからバテついでにザックの横にでもくくりつけてくれば……悔やんでも始まらない……それより夜景を楽しもう。

北側は山で灯りが無く360度という訳にはいかないが、それでもおおよそ270度ほどが光の海となる。

今夜はなんとなくもやっけがあっていまひとつスッキリしないが、足元の秦野は勿論、東京、横浜、湘南、小田原、御殿場、東京湾を挟んで千葉方面や相模湾の向うの伊豆半島まで一望できる。

実は秘かに西に富士山のシルエットが見えやしないかと期待したのだが……実際に見えるかどうかは分からないが……そのあたりだけ雲の層が厚いようだ。

しばらくすると、風も出てきて手袋をした手もかじかんできた。

どうやっても上手く行かない写真のことは諦めて、みんなの居る温かいストーブの前に戻ることにした。

 

                                         2011年12月 夜の塔ノ岳頂上にて


タグ:塔ノ岳 夜景
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絶景の山―午後 [丹沢/南関東/富士山]

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大倉尾根…行程7Km、標高差1200m、平均斜度10度、通称バカ尾根…お昼ごろ大倉を歩き出す。

こんな穏やかな道ばかりだと好いのだが、所々に急な所もあって、忙しさにかまけて運動不足の私にはかなりこたえる。

先日降った雪の消え残りが北斜面にあったり、まだ葉を落としきらないモミジがあったりして私を楽しませてくれるのだが、余裕があったのは堀山の家までで、その先は膝上の筋肉がプルプルしだして、立ち止まり立ち止まりやっとの思いで塔ノ岳についた。

頂上に来てみると、あんなに晴れていた空のしかも西のほうだけに黒っぽい雲があって今日もまた富士山を拝むことが出来ず、まあいつもの事だと諦めて尊仏山荘の戸を開けた。

 

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「オミャーの来るときはいつも富士山が見えにゃいにゃあ。今日は気分が良いから、おらが特別おまじないしてやるからにゃあ。にゃにゃにゃいにゃにゃにゃいにゃにゃにゃいにゃ。これで明日は大丈夫だにゃあ」

「明日の予報は曇りのち雨なのですが」

「信じることが大事だにゃあ。富士山が拝めたら、次に来るときにはお土産頼むぞにゃあ」

「………………」

猫君とそんな会話は出来るはずも無く、天気予報も下り坂だし、明日の富士山はともかく今夜関東一円の夜景が見られれば苦労して来た甲斐があったというものだ。

「8号室を使ってください」 今日の小屋番WDさんの声に促されて二階への階段を上った。

 

                                         2011年12月 塔ノ岳尊仏山荘にて


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山小屋 [丹沢/南関東/富士山]

塔ノ岳に二つの小屋

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小屋の玄関を通って、「コーヒーを……」と言ってびっくり。

とっくに白馬山荘に入っていると思っていたWDさんが、受付カウンターにいるじゃないの。

事情があって今年は白馬山荘には行かないという。

長年小屋番を勤めてきたONさんが山を下りたので、オーナーから頼まれたのも理由の一つらしい。

「夏は、バカ尾根を登ってくるのが暑くてね」 ちょっとボヤキが入る。

白馬岳の雪渓歩きと比べたらそりゃぁもう……。

30分ほど話をして帰りぎわに、「ところで、ONさんはどうして辞めたの?」と聞くと、WDさん一言「寿」

……ああぁ、納得。

 

 

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しごかれながら無我夢中で登った初めての塔ノ岳、その時は営業中で小屋横で布団を干していた。

何年か後に、仕事関係の人と登ったときにも健在だった。

そして長いブランクの後に行ってみると小屋は廃屋同然となっていた。

今、一部の人気の有る山域をのぞけば、山小屋経営は難しいのかもしれない。

一杯のコーヒーが経営の足しになるとも思えないが、小屋があると立ち寄って一服することにしている。

 


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夏日の馬鹿尾根 [丹沢/南関東/富士山]

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暑い。

大倉を出るときには曇が厚く、梅雨時と思えば一降りあっても不思議ではない空模様だった。

それがどうだ、一時間も歩かないうちに雲は何処かに吹き飛んで、元気な太陽が容赦なく照りつけてきたではないか。

ひたすら下を向いて歩けば自分の影が濃く赤土の道に落ち、くたびれ立ち止まって行く先を見上げれば碧い夏の空がこれ見よがしに広がっていた。

今が盛りと鳴くエゾハルゼミ(未確認)の声が湿った熱い空気をかき混ぜて、まったく息苦しい程だった。

五分歩いては水を飲み、十分歩いてはまた水を飲み、汗が顔と云わず背中と云わずそこらじゅうから噴出して、去年の今頃も蒸し暑い表尾根を歩いていたなあと思い浮かべながら、それでもノロノロと歩いた。

ようようたどり着いた塔ノ岳、そこには期待した風はソヨリとも吹かず直射日光が降り注ぐばかりで、そのくせ西の方には雲があって、今日もまた富士山に肘鉄を食らった。

東の阿夫利神社の方にに手を合わせ、日差しを避けて早々に尊仏山荘に逃げ込んだ。

バカ尾根の夏は暑い。

 


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相州大山 [丹沢/南関東/富士山]

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ガスが斜面を駆け上がり、遠くを隠した。

小さな盛り上がりを越えるころには呼吸も少し楽になって、歩くリズムも良くなってきた。

下社からの道を合わせ、その先の階段を登ると頂上はすぐだ。

湘南の町々やその先の相模湾は見えないだろうが、熱い紅茶に砂糖を多めに入れて一休みしよう。

 

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阿夫利神社、雨乞いの神様。

今日は願い事 二つ、一つは「日本の復興が早くなりますように」、一つは「山行の時は雨が降りませぬように」。

鎧戸の隙間からお賽銭を入れて頭をたれた。

信心深くない私の願いは届くだろうか。 

 

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帰りに菜の花台に寄ってみた。

ここまで来ると秦野の町も見えて、霧をとおして見る薄暗い林の景色とは違う、明るい春の色があった。

 

 

頂上から大阪の友人に「今、大山頂上」とメールを入れると、「ダイセンにいるのか?」と電話が来た。あちらで「大山」と言えば伯耆大山と思うらしい。尤もなことだ。これからは伊勢原の大山には「相州」の冠をつけようと思う。


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相州大山 [丹沢/南関東/富士山]

小雨模様だった。

あきらめて再び布団にもぐりこむが寝付かれず、不承不承這い出した。

読みかけの本を手に取るが、ちっともページは進まなかった。

結局、山に行きたいのだ。

予報で「昼ごろ晴れ間が出る」と言ってたのを頼りに、ヤビツ峠まで行ってみる事にした。

 

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高速に乗る頃には、雨は止んで空は明るくなって行くようだった。

予報はきっと当たるだろう。

蓑毛から九十九折りを登ってヤビツ峠に車を止めると、馬酔木が沢山の小さな提灯を下げて待っていた。

靴を履き替えて、ゆるゆると歩き出した。

 

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里の桜はほとんど散ってしまったが、ここではまだ可憐な花を咲かせていた。

登るにつれて、空の明るさは増して、地面に影がはっきり現れ心が弾んだ。

心とは裏腹に、体調はいま一つで、喉の奥のほうで息がヒューヒューと鳴いた。

30分も歩けば体も温まり息も滑らかになるだろうと、いつもよりゆっくり歩いた。

 


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丹沢―表尾根・薊 [丹沢/南関東/富士山]

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 “ 山には山の愁いあり 海には海の悲しみや

            ましてこころの花園に 咲きしあざみの花ならば ”

と、テントの中で恥ずかしげもなく 歌っていた青春時代があった。

 

  (作詞 横井 弘  作曲 八州 秀章)

 

 


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丹沢―表尾根引き返す [丹沢/南関東/富士山]

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アザミが紫の花をつけ、カヤトは僅かに薄茶色だった。

太陽は相変わらずの勢力を保ち地面を焦がしていたが、何かが秋の引き金を引くと一気に涼風が頬をなで、穂はなびいて、木々の葉は色付くだろう。

待ち遠しい季節はもうすぐかもしれない。

 

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前方に黒い雲が見ていたので 「降りだす前に下りよう」 というのは、言い訳だった。

空には青い部分も有り、降るということも無いだろうが、そう言わせるほど体調が思わしくなかった。

書策で引き返し三の塔まで来て振り返ると、黒い雲の勢力は衰えて行くようだった。

「意気地なし」と笑われているようで、私は二の塔を目指して足早に下った。

 


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