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バクタプル―世界遺産 [ネパール]

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秋晴れの下、赤レンガを積み上げて一段高くなった舞台のような一角で、女が収穫した穀物を干していた。

他の広場でも同じような場面に出くわすのだが、これらの場所が彼らの所有地とは思えない。

ここバクタプルの旧市街地一帯が世界遺産だと聞いてきたが、誰もがこの女のこ事などおかまい無しで通り過ぎ、足を止めるのは観光客だけだ。

日本人の私などは、「いいんですか?」と聞きたくなるが、これが当たり前の光景のようだ。

この人たちは、どこかの国のような観光の為の「ヤラセ」ではなく、生活そのものだから面白い。

このようないい加減とも思えるところが、とてもここちいい。

 

 


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ポカラに向けて―マチャプチャレ再び [ネパール]

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「トメテ~!」

森の向こうにフィッシュテイルがチラっと見えたので、全体が見える所で車を止めてもらった。

「もっと良く見える峠があるヨ」と言われたが、「チョットだけ」とわがままを言って外に出た。

4~5枚撮って、「アリガトウ」と再び車に乗り込んだ。

先の峠を少し下ったマチャプチャレのビュウポイントは、たしかに大分近づいて迫力は増したが、肝心のフィッシュテイルは雲の中だった。


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ポカラに向けて―移動中 [ネパール]

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運転手は急に道端の売店に車を止めた。

どうやら彼の食事時間のようで、店の奥に消えていった。

おばさんが店の前にどっかと座り、犬は昼寝をむさぼっていた。

積み上げられたミカンを見ていると、ガイドが「買うかい?」と聞く。

「いいよ」と答えると値段の交渉をしてくれ、ビニール袋一杯のミカンが手に入った。

値段が100だったか200だったか忘れてしまったが、その酸っぱさだけは記憶に残った。


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ポーター [ネパール]

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少年は私たちのグループのポーターとして雇われた。

「ジープで行くか」の誘いを「自分で運ぶ」と断ったようだ。

つっかけのような履物で、くだりの山道をスタスタ降りて行った。

経験を積み将来ガイドになるのだろうか、それとも農業などに従事するのだろうか、はたまた現金収入を求めて都会に出てしまうのだろうか。

 

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この荷物をどれ程遠くから背負って来たのだろう。

下から押され、上から引っ張られてソロソロと梯子を登ってやっとバスの屋根に立ったところだ。

背負っている荷は自分の物だろうか、それとも委託されたものだろうか。

若いとは思えない彼の膝は、僅かに震えていたように見えたが、それは私の目の錯覚だったかも知れない。

 


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See You Lodge―屋上 [ネパール]

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風が出てタルチョがはためいた。

空はまだ僅かに明るさを残していたが、星は瞬き始めた。

街灯がほのかに照らす石畳から子供たちの声は消え、行き交う人も僅かになった。

私は、大分遅くなった月の出を待っている。

そして旅が予定通りに行かなかった事を楽しんでいる。

もう一度大きな山々に囲まれて、一夜を過ごすことが出来るのだから。


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See You Lodge―夕暮れ [ネパール]

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夕食までたっぷり時間がある。

アンナプルナⅠが良く見える場所を探しながらゆっくり歩く。

土地の子供に「ナマステ~」と声を掛ける。

「ナマステ」と言いながら恥ずかしそうに走り去る。

カメラをぶら下げたトレッカーが来る。

目が合いお互いにコクリとうなずき、同じ方向にレンズを向ける。

アンナプルナは夕陽を受けて、その赤味がかった岩肌を益々赤く輝かせる。

隣のニルギリも負けじと、湧き上がる雲ともども競演する。

振り向けば、シルエットとなったダウラギリの頂上付近に薄いピンクの雪煙があがる。

一時を楽しんだ後は、夕闇の中をとぼとぼ帰る。


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トレック中 [ネパール]

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今日はトレック最終日。

一旦カリガンダキ川を離れ、小さな峠を越え、集落をいくつか通り、今まで見てきた山々を別角度から眺めながら歩き、再びカリガンダキ川に戻ってガーサ村を目指しています。

あっちこっちにカメラを向けノンビリノンビリ……ポカポカ陽気にブラリブラリ……。

ファインダーに人が入ると「OK?」と声を掛ける。「No!」と断られることもあるけど……。

屋根の上で仕事中の農夫に声を掛けるとOKのサインと共にスックト立ち上がってポーズを……奥さんまで……主役はバックのニルギリ……。

予定通りに行かないのが旅の常、ガーサの予定のロッジに部屋が無い!満員?……連絡がガイドの携帯に……「モバイルトレッキング!」と苦笑するガイド。

手前の村でトレック終了。

明日の朝はかなり早立ちとなることでしょう。何せ明日中にカトマンズに戻らなければならないのですから。


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タサンロッジ―残照 [ネパール]

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夕食を待つ間、屋上に出た。

ダウラギリの影がニルギリの岩壁を登ってゆく。

それに連動するように月は頂から離れ空に昇ってゆく。

気温は下がり始めていたが、誰も部屋に戻ろうとしない。

私は壁に寄りかかって、夕映えの移りを楽しみ、時々シャッターを切る。


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タサンロッジ―おやっさん [ネパール]

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名前は「トラチャン」、タサンロッジのオーナーでもちろんネパール人ですが、日本語がとても堪能です。

夕食後、彼は日本語で語りだした。

彼:「実は、私は高山病になったことがあるヨ。」 皆:「え~~~っ!」

話は……

自分はせっかちで歩きが速い。アイスフォールに向かって先頭でドンドン登っていくと、頭が痛くなってきた。

皆が心配して「ダイジョウブか?」とか「何か食べるか?」とか親切にしてくれるのだが、その声がひびいてますます気持ちが悪くなる。

「静かにしてくれ~、話しかけないで~、放っておいて~……」

ついにアイスフォールは諦めて帰って来てしまった。

「だから私は、ここに暮らしながら一度もあそこに行った事が無いんだよ。」

「皆さんも、急いで登らずゆっくりネ。周りの景色を楽しみながらゆっくり登ればダイジョウブ。」

次の日、日が暮れてロッジに帰ってくると、真っ先に出迎えてくれて、

「行ったか?そうか行ったか。どうだったか?いやぁ~12時間待ってたよ!」

と握手をしながらまるで自分の事のように喜んでくれた。

エッ!彼の流暢な日本語の訳……それは日本滞在の経験があり、その時知り合った人が奥さんだからです。

昼間、「彼女は、神様が下さった大切な贈り物」と言ってのろけていたそうです。

夕食時その事を冷やかすと、テレながらも「ビビィ~ッときて、この人だ!と思った。ハハハハハ~!」と言ってまたのろける。

なんとも愛すべきおやっさんだ。


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タサンロッジ―帰り道 [ネパール]

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今日はアイスフォール手前の台地まで登ってきました。

それから台地を横切り南側の道を降ってきたのですが、ラリグラスの林をぬけると陽は尾根の向こうに隠れ、急速に明るさが失われていきました。

ヘッドライトを点けての歩きでしたが、ここからは昨日も歩いた道なので不安はありませんでした。

カルガンダギ川支流の川原まで降ってしまえば、あとはロッジまで30分ほどの登りを残すだけです。

歩き始めてから10時間以上たっているので、ロッジの親っさんは心配顔で待っているかも知れません。それとも信頼できるガイドを付けてあるので安心しきっているでしょうか。

いずれにしても、熱いブラックティと夕食が私たちを待っていることでしょう。


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